スポ根世代が考える「日大タックル問題」

報道がヒートアップし続ける「日大問題」、多くの、いや全てが教訓として、危機対応としても今後語り継がれる問題となってしまいました。

本ブログでもこの話題が続いてしまい、恐れ入ります。。

弊社の危機管理広報コンサルティングの立場からコメントを出させていただく機会も増えており、ほんの一部ですが、弊社代表の江良、マネージャーの畑山が対応させていただきました取材、出演について、改めて、下記リンクでもご紹介いたします。お時間ありましたら、ぜひご覧ください。

日経BizGate

https://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO3095530025052018000001?channel=DF050420183723

「みのもんたのよるバズ!」

https://abema.tv/channels/abema-news/slots/9gf1VBXQGEwJFH

今回の問題は、様々な問題をはらんでいるようですが、組織の中において理不尽な要求を受けた場合の個人の対応、組織の対応が不適切と指摘された際の広報部門の対応、最高幹部の関与が疑われた際の組織のガバナンスや対応の在り方など教育現場をはじめ、企業、政府、各種団体にとっても、また、私個人としても、一緒に考える必要があるのではと思います。

組織の危機管理広報の視点以外に、私の子供もチームスポーツをしており、その親の立場として、さらに私自身が学生時代に体育会運動部所属でスポ根世代の経験(そういえば、その当時も身近でコーチ辞任劇がありました・・)からも、とても関心の高い事件です。「当時の私だったら…」「子供が加害者、被害者の立場に置かれたら…」―。他人事とは思えません。問題が日々大きくなっているこの状況は、狭き門である日大アメフト部に入部し、日本一を目指しひたすら練習に精進していた学生たちのことを考えると心が痛みます。

今回の問題は、まだすべてが明らかになってはいませんが、勝利至上主義の組織や指導者が、一線を越えそうな場合に、これまで信じて盲目的に突き進んできた選手が立ち止まれることができない状況に追い込まれていることが明らかになりました。

日大は昨年優勝し、チームとしては絶頂期にこのような問題に直面したこと、これも教訓の一つではないかと思います。

昨今、企業ではガバナンス強化が問われ、社外取締役などの外部評価・意見の重要性の認識が進んでいます。どのような組織でも、外部からの客観的な評価・意見は、社会との整合性、日頃の意識改善、気づきに大きく影響をもたらします。

今回の日大の会見では、「広報部職員」が、暴言を吐いて会見を打ち切ってしまいました。記者の声を聴かず、組織を頑なに守るのが広報の仕事なのか、という誤った印象を与えてしまったとしたらたいへん残念なことです。

本来の「広報」は、(弊社代表の江良もコメントしていますが)、相互に利益をもたらす存在であり、信頼関係を構築するものです。「事実であること」「双方向のコミュニケーションであること」「正義や公共の利益」を大事にする活動だと思います。そのため、広報のスタンスは、片足は社内に、もう片足は社外に置き、社内からの発信だけではなく社外の見識を社内に伝えるという機能を果たさなければなりません。これはガバナンス向上に不可欠な存在と考えています。

関西学院大学の負傷した選手の父が、タックルを仕掛けてしまった日大選手の寛大な処分を求める懇願書を公開しました。今回の問題を転機とし、将来がある有望な学生のことを第一に、組織が復活し蘇ることを願っています。

MY

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