若者の車離れが言われる昨今ですが、先月、銀座をぶらぶらしていたら、日産クロッシングで「よみがえる名車シリーズ」が開催されており、学生時代に心躍らせたスカイラインGT-R(通称ケンメリGT-R)の実車に遭遇した。
この車は、広告「ケンとメリーのスカイライン(日産のスカイライン4代目)」で若者の心をとらえた。「愛のスカイライン」のキャッチコピーのCMで、若い男女のカップルがスカイラインに乗り、日本各地を旅するシリーズもの、若い男女が、ケンとメリーだったと記憶している。
私自身の成人した息子もそうであるように車は単なる移動手段の1つで、それゆえどんな車かにこだわらない人も多くいます。また、車を所有しなくても困らないという人も多数います。
自分が会社に入社してまず考えたのは、何とかして給料で早く車を買いたい、車でドライブしたいということでした。これは私だけではなかったと思います。車がなければデートができないと考える同期もおり、彼女をゲットするためにカッコいい車を買い、結婚したら車を手放したなどという輩もいました。
昔と車への思い入れが違う今の時代に、如何に若者のニーズを満たす車を提供するかが、従来の自動車メーカーに与えられた命題であるとともに、従来の自動車メーカではないメーカーの参入というのも今後を占う上で重要になってきます。
テスラモーターズ(Tesla Motors, Inc.)は、2003年に設立され、アメリカのシリコンバレー発の電気自動車(EV)やその関連部品の開発、製造、販売を行っている自動車メーカーです。世界初となる100%電動の高級EVスポーツカー「テスラロードスター」を2008年3月に販売開始をし、世界中の人々から注目され始めるようになりました。こ2012年3月よりモデルSと呼ばれる100%電動の豪華セダンを同社2番目の電気自動車として生産・販売して、更に価格、サイズにおいて手に届く「モデル3」の販売がなされています。
昨日そのテスラSを試乗しました。
私は、プリウスなどのハイブリットカーや電気自動車は邪道で、あくまでもガソリン車、ディーゼル車がBestと考える方でしたので、今まで電気自動車はもちろんプリウスにも乗ったことはありませんでした。
テスラを試乗して、まず驚いたのがその強烈な加速が音もなく襲ってきたことでした。瞬時に法定速度限度に到達。加速性能に加え、操舵性、モータによるスムーズな走りは今までのガソリン車で味わえないものでした。テスラの担当者の話では、エンジンを持たず、電池が車体の中心部に配置されており、重心が下に位置しているので優れた操舵性がと持てるとのことでした。担当者と話していると、車というより家電というイメージを持ちました。となると電気自動車の普及に伴い、今後いわゆる自動車メーカーの勢力図は大きく変わる可能性があると感じます。
欧米中での電動化の政策・規制の状況から、自動車の電動化が加速されることは間違いないようです。とはいえ、EV(電動自動車)やFCV(燃料電池車)だけが終着点ではないようです。欧米中の電動化促進の状況では、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンが完全に禁止されてしまうわけではなく、HEV(ハイブリッド車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)の形で残ることは許されているようです。ただ、欧州やアジアの電動化政策は、各国の産業界保護などの国益を守るためのウラがあり、今後の国際経済状況や技術開発状況などに応じて大きく方向が変化する可能性も高いようです。
また、一方、運転の完全自動化、自律走行の試験も進められており自動車ならびに業界を取り巻く環境は既に変わってきており、今後大きく変わっていく可能性もあるのではと感じます。
従来の自動車業界の競争の中心は販売台数をめぐるものでしたが、自動運転を通して今は、グーグルやアップル、アマゾンといった新しいプレーヤーが登場しています。
業界の雄、トヨタ自動車の豊田章男社長は、自動車業界を取り巻く状況を、「まさに100年に1度の大転換期が到来しています」と語っています。
私にとって、車を運転するのは、大切な時間であり、いつまでも自分の手で運転したいと思います。渋滞以外は・・・・・・・。