投稿者: 株式会社エイレックス
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ゴーン逮捕の報道は私にとってもたいへん衝撃でした。確か、その時は会社にいて、スマホの朝日新聞デジタルからのニュースで知ったのでした。夕方の多くの社員が社内いる時間帯で、社内も騒然とした空気でした。
かつてこのブログでも書いたことがあるように、私も優れた経営者として「カルロス・ゴーンの経営論」に感銘を受け、講演会でもとても共感したものです。経営者というだけではなく、企業のスポークスパーソンとしてメッセージを上手に発信できるという点やストーリーテリングを身に着けた、TOP広報を自ら実践する経営者としても素晴らしく、2001年ころからは、頻繁に優れたスポークスパーソンの事例として紹介してきたこともあって、このような事態は大変ショックなわけです。
すでに逮捕から2週間が経とうとしていますが、それにしても連日、ゴーン容疑者が会社を私物化していた、不正はこんなにひどい、といった特報が次々に出ていて、いずれも「関係者への取材で分かった」ということで、出所は明らかに検察か日産サイドからの情報と思われます。
すでに早い時期から、日産はルノーとの不平等な関係を見直したい、ルノーの支配から逃れたい、そのためにはゴーンを追い出すしかないと判断したという見方が出ています。これほどの大物経営者の逮捕ですから、日本の検察幹部だけでもゴーは出せないはずで、トヨタ自動車の米国人女性執行役員逮捕の際も在日米国大使館が乗り出して、政府と交渉し不起訴になったことが報道されていますから、事前に政府も了解していると考えられます。やはり、日本政府も日産をフランス企業にしたくなかったのだ、そのための逮捕だったのではないか、逮捕に正当性はあったのかとの疑念はぬぐえないところです。
危機対応の観点から別の違和感は、本人が否認しているのに(後で分かったことですが)いきなり逮捕させ(?)会長職や代表権を奪ったこと、さらに逮捕当日の西川社長の記者会見とその後の日産の対応で、どうも「トップ2人が勝手ににやったこと」と強調して言っているようにしか聞こえず、社長ご本人や他の取締役の責任に触れていないことの違和感です。
報道によると、トップ二人の弁護人は元特捜部長の大鶴弁護士や、著名な喜田村弁護士らが受任したようですし、海外メディアはじめ国際社会からの注目も高く、今後、有罪を立証できるのか、対決を関心持ってみていきたいと思います。
江良