9月1日に考える、危機管理

9月1日は言うまでもなく防災の日です。改めておさらいすると、

「政府、地方公共団体など関係諸機関はもとより、広く国民の一人一人が台風、高潮、津波、地震などの災害について、認識を深め、これに対処する心がまえを準備しようというのが、『防災の日』創設のねらいである。」と、昭和35年9月1日発行の官報資料に「防災の日」の創設に関して記述されています。

今から60年も前に制定された防災の日ですが、同じ頃に制定された災害対策基本法で『災害』は、「暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害」と規定されており、『防災』は、「災害を未然に防止し、災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ、及び災害の復旧を図ること」となっています。

つまり災害対策基本法は「自然災害」に対して整備されたもので、新型コロナウィルスのような感染症は自然災害としては想定しておらず、だからこそ法整備の必要性が叫ばれている昨今のわけです。そういえば、映画シンゴジラでゴジラが出現した際にこれに対応した法律がなく各大臣や官僚が右往左往する様子が皮肉たっぷりに描かれていたのを思い出しました。結局最後は超法規的措置として総理大臣に決断を迫る場面もありました。

 

こうしておさらいしてみると、実は何が「災害」なのかは結構難しいものだなと感じました。太平洋の無人島でマグニチュード9.0の超巨大地震が発生しても災害ではないだろうし、民家のそばで起きる土砂崩れなどは災害だと思われます。

しかし、現実は法律に合わせて災害は起きるわけではありません。大切なことは、自分の命にかかわる危険について、認識を深め、これに対処する心構えをそれぞれの立場で準備することでしょう。

 

企業にとっても、防災の日は、自然災害のみならず、火災、テロ、感染症など多岐に亘るリスクを事前に想定し、それに備えて準備・訓練を行うことの重要性、必要性を再認識する日であってほしいと考えます。

当社も危機管理広報コンサルティングとして培ってきた経験をもとに、お客様が危機を乗り越えるお手伝いをしていますので、9月1日を「危機管理の日」と読み替えて、より一層のサービス提供に向けて思いを新たに・・・、そんなことを考えました。

Shun

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