車で空を飛んでみたい!~次世代モビリティが試験飛行を公開~

日経電子版の9月一週、映像ニュース週間トップ3は、
1位 空飛ぶクルマ有人飛行試験を公開
2位 いよいよ見納め113歳、としまえんの回転木馬
3位 東京ビッグサイトで展示会のにぎわい再び 
トップ1になった「空飛ぶクルマ」のニュース映像、ご覧になったでしょうか。

空飛ぶクルマの正式名称は「電動垂直離着陸型無操縦者航空機」。つまり、車でありながら垂直に飛び上がり空を自動運転で飛行することができる電動の乗りもの、とまさにSF映画です。もっとくかみくだくと、走行中に渋滞に巻き込まれたら、自分自身で車を飛行機に変換、プロペラを回し真上に飛び上がり、自動運転ですいすいと飛行するイメージです。自身が大型のドローンにのっていると想像すると分かりやすいかもしれません。すばらしい夢の実現がもうすぐです。ヘリコプターや飛行機と異なる特徴は、パイロットや滑走路がいらないことはもちろん、電動化、完全自律の自動操縦、垂直離着陸の3点です。つまり自宅の駐車場に止めておけるし、地下パーキングからでも牽引なしに走行できるのです。

次世代モビリティ分野は、世界各国で100社以上が実用化に向けしのぎを削り市場規模の拡大が続いています。遅れをとった日本では2018年に「空の移動革命に向けた官民協議会」が開催され、都市部でのタクシーサービス、離島や山間部の新たな移動手段、災害時の救急搬送などにつながるものとして期待されています。さらに2023年の事業開始、2030年の本格普及に向けたロードマップが経済産業省・国土交通省によって制定されています。

今回の有人試験飛行は2mほどの高度、時速4キロで試験場を1周、わずか4分程度のものでなんとも頼りないと感じたかもしれません。ですが、日本での実用化への大きな一歩であることは間違いありません。開発するSkyDriveは、日本政策投資銀行をはじめとする10社から39億円の資金調達を実施したと発表し、これまで、累計調達額は57億円に達するなど、各界からの期待が集まっています。

次世代モビリティの実用化が実現すると、自動車の普及で社会が変わったときに勝るとも劣らない変革が起こると期待が高まります。おりしも感染症により新しいライフスタイルが始まったことも大きな後押しとなりそうです。機能に加えデザインへの期待も高まります。自動車産業がスペックだけではなく、デザイン、品質、安定性などを重視したことで国際的な評価を得てきたとすると、次世代モビリティにおいても、操作性を超える乗り心地、使い心地、楽しさ、見た目の美しさ、持つことでの満足感も備え、生活に欠かせない新たな乗り物になる日が近いと感じています。スマホのように一人一台をカスタマイズして、空を飛びかう日常がやってくるSFな日はもうすぐです。

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