2週間ちょっと前から毎日ハラハラしながら追っているレースがあります。
Vendée Globe
https://www.vendeeglobe.org/en
ヴァンデ・グローブという4年に一度開かれる世界一周ヨットレースです。フランス北西部ヴァンデ県のレ・サーブル=ドロンヌを出発し南半球ルートを回ってまたヴァンデに戻るというヨットレースで、「単独無寄港無補給」のため「海のエベレスト」とも「世界で最も過酷なヨットレース」ともいわれています。完走できるのは約半数という厳しさ。
今大会は33艇が参加していて、日本人の白石康次郎さんもDMG MORI GLOBAL ONEチームのスキッパーとしてアジアから唯一参加しています。

白石さんは前回2016年も出場しましたが、途中でマストが折れてしまいリタイアを余儀なくされました。今回はアジア人初の完走を目指しています。
レース開始早々、スタート地点に戻ったり海上で修理したりする船が続出。優勝候補のひとつといわれていた最新艇がディスマストでリタイアしたりとトラブル発生する船が多く、何が起こるかわからないため目が離せません。白石さんのヨットも出発から7日目にメインセールが破損してしまったため、1週間かけて修理をしていました。普通大人が数人で上げ下ろしするメインセールをひとりで降ろして、揺れるデッキの上で修理、そして再度のセールアップ。ショアチームと連絡をとりながらの作業とはいえ、たったひとりですべてやるわけなので途方もないです。20日(金)無事にメインセールがあがったという動画を見てほっとしました。
https://www.vendeeglobe.org/fr/actualites/20488/fermeture-de-l-atelier-voile-sur-dmg-mori-global-one (テキストは仏語ですが動画は日本語です)
アジア人初の完走に挑戦している白石さんもすごいのですが、33人のスキッパーのうち1人は隻腕、6人は女性というのも驚きました。(重いセールをあげるにはとんでもない力が必要なので)
どんなに事前に準備をして練習を重ねていても、相手は海や天候という自然。思わぬトラブルもつきもので、肉体的にも精神的にもタフなレース。困難な状況でも諦めず最善を尽くし、その時のベストな判断をするセーラーたちは皆、レジリエンスのお手本です。
先頭の船なら残り約2か月、最終艇なら約3か月かかると思われますが、毎日トラッキングと最新情報をチェックして各艇を応援します。
江良洋子