引用出典:NASA twitter ベビーヨーダのぬいぐるみを手にISSに乗り込む野口聡一さん
野口聡一さんが乗ったクルードラゴン「レジリエンス」が、2020年11月16日9時27分(日本時間、以下同じ)に打ち上げられ、翌17日13時1分にISS(国際宇宙ステーション)にドッキングしました。
55歳で3度目の宇宙飛行をしている野口さん。キラキラした目で宇宙を語る姿は少年のようですが、強靭な肉体と精神、頭脳をお持ちの方であることは間違いありません。何よりも、野口さんを突き動かしている、内から湧き出す強い思いが何十年も持続していることが、素晴らしいと思います。
宇宙博2014のトークショーで、野口さんがお話されている映像を見ました。
その中で、160年以上前に生まれたロシアのロケット研究者、コンスタンチン・ツィオルコフスキーのこの言葉を紹介していました。
“地球は人類の揺り籠だが、我々が永遠に揺り籠に留まることは無いであろう”
そして、野口さんはこう話されていました。
「人口増加やさまざまな環境変化によりこの先地球に住み続けることができなくなるかもしれない、その時に人類が自分自身で生きる未来、場所を探してゆく必要があるんじゃないか。まさに我々宇宙飛行士は、この言葉に突き動かされている」
クリストファー・ノーラン監督の「インターステラー」で描かれた世界は、異常気象による大規模な食糧問題に直面し、人類滅亡の危機にある近未来の地球。あまりにリアルに描かれた荒れ果てた地球の姿は、SF映画だと割り切れない現実を突きつけてきます。
コロナ禍で皆が動きを止めて、ウイルスがいなくなるのをひっそりと息を潜めて待っている間にも、地球はどんどん変わりつづけています。皆の視点が内側にばかり向けられている中、宇宙へ飛び立つ人がいることは、視線を遠くに向けなければいけないことを思い出させる、なんだかはっとさせられるニュースでした。
今回、野口さんがISSに乗り込んだ時に手にしていた、ベビーヨーダ※のぬいぐるみも話題になりました。スターウォーズシリーズの最新作、マンダロリアンに出てくる愛らしいキャラクターです。野口さんとISSに乗り込んだベビーヨーダは、ぷかぷかクルクルと浮遊していてなんともかわいい。クルーの皆さんに愛され、皆さんを癒しているのだろうと想像しています。
※ベビーヨーダと一般的に呼ばれていますが、この時点での正式なキャラクター名は、「Child」。その後、最新話では名前が判明しますが。
11月24日に、野口さんはISSから会見を行いました。野口さんのお人柄の良さとお話の上手さもあり、宇宙からの記者会見で、多くの人が、宇宙をより身近に感じることができたのではないかと思います。ただ、会見のお手伝いをすることもある私たちとしては、運営側のことを考えると、胃が痛くなりそうな究極のリモート会見だったとも思いますが、、、。
この会見で、ベビーヨーダを宇宙船が打ちあがってゼロG になったことを確認するための、「無重力インディケーター」として連れて行ったことについて、こう話されていました。
「クルーワンミッション、レジリエンスというミッションは、未来に向けて回復する力、明るい未来を子どもたちのために活かそう、Childrenのための宇宙開発なんだ、という気持ちを込めて。“Child”をしっかりと宇宙に届けたいという気持ちも込めて、あのマスコットを選んでいます。」
子どもたちの未来のためには、どんなことがあっても止めてはいけない歩があるのですよね。
私たち、大人に課されたミッションでもあると思います。
未来の子供たちの世界がよりよくなるように、自分たちのできることから、取り組んでいきたいと思います。
Y.Y.