何が真実か パブリック・リレーションズの役割 

 「劇場で観てほしいんです。命をかけて撮った作品です。こんなやりにくい状況の中で、わたしたちの仕事はもうできないかもしれないという恐怖が襲ってきて。でも今、みんなとこういう作品を伝えないといけない。それがわたしたちの使命」

先月20日、映画「茜色に焼かれる」の舞台挨拶での尾野真千子さんの言葉です。(https://eiga.com/news/20210521/24/

コロナ禍で大打撃を受ける映画界を想い、大粒の涙を流しながら、絞り出した言葉です。テレビ画面越しに、私も一人の視聴者として心が揺さぶられました。

都内では今月1日に緩和されるまで、映画館にも休業要請が発出されていました。窓がない映画館は「3密」で、新型コロナの感染リスクが高いと思われがちです。そんな疑念を払拭しようと、業界各社は広報活動を通して、対策の実態を社会に発信し続けています。

・「映画館の空気は20分で入れ替わる」換気を“見える化”した実証動画でコロナ不安を払拭(https://www.fnn.jp/articles/-/73544

・「コロナ下で映画館はどうあるべきか、イオングループの答え」(https://newswitch.jp/p/26829

また業界団体は「興行場の観客席側での感染事例は1件も確認されていない」とエビデンスを示した上で、「休業、無観客開催の要請は、こうした実績を考慮に入れていない」と休業要請撤回を求めたことが話題になりました。

・「公演会場に『クラスターなし』 音楽、興行団体が相次ぎ声明」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2021050600937&g=eco

こうした具体的な取り組みやデータから、映画館は”3密であり、危険である”といった認識は必ずしも正確ではないと考えられます。

社会の誤解を解くべく、正確な情報を社会に発信することも、パブリック・リレーションズの役割の1つと考えます。人は、よく分からない物事に対し、恐怖を抱きがちだと言われます。フェイクニュースがすぐさま拡散してしまう今、正確な情報を開示することが求められます。エイレックスにも、正しい情報を適切なタイミングで開示すべく、クライアント様からご相談いただくことが多々あります。

私自身もエイレックスに入社し、いかに自分が「決めつけ」や「印象」で物事を判断し、行動してきたか、日々痛感させられています。物事を多角的に見ることができることも、PRパーソンならではのスキルかもしれません。

PRの世界に興味を持った皆さん、是非門を叩いてもらい、「何が真実か」を自分の目で見定めてみませんか。あなたの仕事が、誤解を解き、世の風潮をガラリと変えることに繋がるかもしれません。

S.N.

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